トランプ氏が金正恩氏に親書 「素晴らしい内容」と満足
【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の朝鮮中央通信は23日、金正恩(キム・ジョンウン)委員長がトランプ米大統領から親書を受け取ったと報じた。金正恩氏は「素晴らしい内容が盛り込まれている」と満足の意を表明。「トランプ大統領の政治的判断能力と並外れた勇気に謝意を示す。興味深い内容を慎重に考えてみる」と語った。親書の内容や送られてきた日付は伝えていない。
2月末の米朝首脳会談の決裂後、米朝の非核化交渉は膠着している。トランプ氏は金正恩氏への親書で米朝関係について、何らかの前向きな提案をした可能性がある。
金正恩氏も6月10日、シンガポールで開いた米朝首脳会談から1年となるのに際し、トランプ氏に書簡を送った。トランプ氏は「とても温かく、素晴らしい手紙だ」などと語っていた。
金正恩氏は書簡を通じて、対話を継続する意思をトランプ氏に直接伝えたとみられる。金正恩氏は20、21両日に訪朝した中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席にもトランプ氏へのメッセージを託した可能性がある。
ただ高官級や実務者間の協議が再開する見通しはない。北朝鮮側は交渉を担った金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長を統一戦線部長から外し、金革哲(キム・ヒョクチョル)米国担当特別代表を問責し何らかの処罰を下したとみられている。さらに強硬姿勢をとったポンペオ米国務長官を交渉の担当から外すように米側へ求めている。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。