東大発スタートアップ、1人用の空飛ぶクルマ開発へ
東京大学発スタートアップのテトラ・アビエーション(東京・文京)は1人乗りの空飛ぶクルマを開発する。2019年度中に実際に人が乗り込める大きさの試作機を完成させることを目指しており、エンジニアなどの採用を増やして機体製造や実験を進める。
ドローン(小型無人機)関連企業に特化して投資するドローンファンドやインキュベイトファンド(東京・港)、TomyK(東京・千代田)などを引受先とする第三者割当増資で約5000万円を調達した。調達した資金は試作機の製作費用と人材の採用に充てる。
テトラ・アビエーションが開発する乗り物のサイズは縦2メートル、横2.5メートル。機体下部と後方のプロペラをモーターで回して推進力を生み、垂直に離陸して飛行する。パラシュートなど安全装置も備え、数十メートルの高さを飛ぶことを目指すという。災害現場や山間部での移動手段としての利用を見込んでいる。
同社は東京大学大学院博士課程の中井佑社長が18年6月に設立した。米ボーイングが協賛する、1人用の空飛ぶクルマの国際コンテストに参加している。20年3月には賞金100万ドルをかけて実際に飛ばして速度や距離を競う審査があり、参加する約30チームの中で優勝を目指している。
(山田遼太郎)