沖縄で3連敗、自民県連会長は辞意
那覇市長選で与党系候補が敗北
那覇市長選で与党の推薦候補が敗れた。自民党は9月の県知事選以降、沖縄の首長選で3連敗となり、同党県連の国場幸之助会長は辞任の意向を表明した。米軍普天間基地(同県宜野湾市)を名護市辺野古に移設する政府方針に反対する勢力が強まっている。2019年に予定される衆院沖縄3区補欠選挙や統一地方選、参院選への危機感が与党内で増している。
那覇市長選は自民、公明などが推す新人の翁長政俊氏と、立憲民主、共産などが支援する現職の城間幹子氏による与野党の代理対決といえた。
自民は9月の県知事選、10月14日の豊見城市長選に続く連敗だ。今年前半は違った。自民は2月の名護市長選、3月の石垣市長選、4月の沖縄市長選と勝利を重ねた。普天間基地の辺野古移設に抵抗した翁長雄志前知事が8月に死去すると移設反対派が勢いづいた。
那覇市長選の敗北を受け、自民県連会長の国場氏は「職を辞すことで責任をとる」と述べた。公明の遠山清彦幹事長代理は「非常に残念だ。敗因分析はこれからだが、一言でいえば知事選の流れを変えることができなかった」とコメントした。
沖縄県内では19年4月以降に玉城デニー氏の知事転出に伴う衆院沖縄3区補欠選挙が予定される。同年夏には参院選もあり、国政選が続く。ともに与野党対決となる見通しで、政府と沖縄県側が対立する辺野古移設の動向に左右されそうだ。
地方選全体でみても自民の敗北が続いている。14日の千葉県君津市長選は事実上の保守分裂選挙で敗れた。28日の新潟市長選も保守分裂の構図になっている。自民は国会議員や秘書を現地に派遣し、てこ入れしている。
首相は9月の総裁選で3選した。党員・党友による地方票では石破茂元幹事長も善戦した。政権運営への地方の不満のあらわれとの見方がある。