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AI半導体、覇権狙うエヌビディア アーム買収

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【シリコンバレー=佐藤浩実】米エヌビディアは13日、ソフトバンクグループ(SBG)から英半導体設計アームを買収すると発表した。アームが保有する半導体の設計技術を手に入れることで、人工知能(AI)向けの半導体で覇権を狙う。買収額は最大400億ドル(約4兆2千億円)で、現金と株式で支払う。SBGはエヌビディアの大株主として残る。AI分野が半導体業界で主戦場になってきた。

エヌビディアはゲームの映像をなめらかに描くGPU(画像処理半導体)の大手。この技術を音声認識などの複雑な計算に応用し急成長してきた。単純な計算を高速でこなすGPUは「深層学習(ディープラーニング)」用途などAI計算に向いていた。

ただGPUだけでは「頭脳」の役割を果たしきれない。より精緻な計算ができるCPU(中央演算処理装置)と呼ばれる半導体の設計技術を持つアームに目を付けた。

アーム設計の半導体の最大の特徴は省電力性だ。エヌビディアはアームのCPU設計技術を、自社のGPUと組み合わせて、これまでにない省電力で大量のデータを高速処理するAI半導体の開発を急ぐ。

AI半導体はデータセンターのサーバーに組み込まれて活用されるケースが多い。データセンターはデータ増大で電力消費も拡大し続けており、エヌビディア・アーム連合のAI半導体の勝機も大きいとみる。

「エヌビディアはアームにとって完璧なパートナーだ」。SBGの孫正義会長兼社長はコメントした。売却額は2016年にアームを買収した金額を1兆円近く上回る。獲得した資金は幅広い分野に投資する。

エヌビディアは買収額の一部を自社株を対価として支払う。売却完了後、SBGはエヌビディア株を6.7~8.1%保有する大株主となる。

もっとも、米中技術覇権争いの激化する中、半導体のM&A(合併・買収)には当局の認可リスクがある。安全保障面での競争力にも直結しかねないAI半導体を巡る再編なだけに、買収実現には不透明な面もある。

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