「幻のキノコ」ゲノム解読 九産大グループ成功
漢方薬に古くから用いられ「幻のキノコ」とも称される「ハナビラタケ」のゲノム(全遺伝情報)解読に成功したと、九州産業大と東京女子医大の共同研究グループが30日、英科学誌電子版に発表した。動脈硬化に有効とされる女性ホルモンに似た成分を含むことも確認。研究グループは「新たな医薬品や健康食品の開発に役立てたい」としている。
ハナビラタケは白い花びらのようなキノコの一種。糖尿病や感染症の予防改善効果があるとされ、健康食品の原料にも使われている。
研究グループはゲノム解読で、1万3千個を超える遺伝子があることを確認。免疫を活性化する成分の生成に関わる遺伝子群を見つけた。
解読作業と合わせて、成分の解析も実施。動脈硬化を抑えるとされる女性ホルモン「エストロゲン」と同様の効果がある物質を含むことが分かった。この物質には、エストロゲンのように乳がん細胞などを活性化させてしまう作用はないとみられる。〔共同〕