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ソフトバンク上場、次の主戦場は「非通信」

屋台骨、携帯事業には飽和感

(更新)
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ソフトバンクグループ(SBG)の国内通信子会社ソフトバンク(SB)が19日、東京証券取引所第1部に上場した。初値は1463円と公開価格(1株1500円)を2%下回った。市場の注目を集めた大型上場は多難な船出になった。SBの主力の通信事業は先進国で成熟し、国内では携帯料金の値下げ圧力が加わる。上場後の高い収益の実現には「非通信」の拡大が重要になる。

SBGはSB株の約37%、金額にして約2兆6000億円を売り出す。その規模は1987年のNTTを抜いて過去最大。上場によって通信子会社のSBには、10万人単位の個人株主が生まれる見込みだ。

投資家にアピールするのは高い配当だ。純利益の85%をメドに配当を払う方針で、売り出し価格をもとにした配当利回りは5%。同業のNTTドコモ(4.3%)やKDDI(3.8%)を上回る。「安定配当株として長期保有したい」(都内50代男性)と考える個人投資家は多い。

一方、SBの成長性には懐疑的な見方もある。上場初日の軟調な株価は成長を巡る投資家の不安のあらわれだ。携帯電話を中心とする通信ビジネスが、先進国で曲がり角を迎えている。

米調査会社IDCによると、世界の通信サービスは2022年までの今後5年で成長率が年率1.1%にとどまる見通し。特に米国は同期間の伸び率が0.2%にとどまる。

日本でも携帯電話の契約数が9月時点で1億7100万件と、1人1台を大きく上回る。契約数の伸び率は17年度が3.5%。6%近かった14~15年度からの鈍化が鮮明だ。

スマートフォン(スマホ)の普及が一巡し、SBの連結純利益は18年3月期に前の期比6%減った。19年3月期は増益を見込むものの、市場では「成長期待は乏しく、高い配当以外の魅力を探すのは難しい」(国内運用会社)との声がある。

国内では政府の値下げ圧力で、携帯の収益がさらに細るのは必至だ。SBは密接な関係にある華為技術(ファーウェイ)を巡る米中間の対立で、中国製の既存の基地局をなくす方針を固めた。次世代通信「5G」でも排除を決め、設備投資額が計画より膨らむ可能性がある。

通信事業に依存してばかりでは長期の成長は見込めない。今後の経営戦略の要衝は「非通信」の分野に移る。

先例は米国にある。「通信とメディアを一つにして新たな手法を持ち込む」。米通信の巨人、AT&T。ランドール・スティーブンソン最高経営責任者(CEO)は、18年に完了した米メディア大手タイムワーナーの約9兆円の買収の狙いを語る。

米衛星放送のディレクTVなど矢継ぎ早の大型買収で、通信とメディアを融合させる「複合メディア企業」への脱皮を図る。多角化の結果、AT&Tの売上高に占める個人向け携帯事業の比率は2割程度まで下がった。いまや法人向けやエンターテインメント事業で稼ぐ。収益の7~9割を通信に頼る国内大手とは対照的だ。

さらに20年には本格的な5Gの時代が到来する。通信速度は現行4Gの100倍にも達する。あらゆるモノがネットにつながるIoT社会の基盤となり、自動運転や超高画質の動画配信など用途は無限に広がる。

米国勢はメディアと通信をつなげる「垂直統合」で5G時代を乗り切る戦略を描く。だが多角化で先行するAT&Tも、注力するネット動画の配信で専業のネットフリックスなどに押されがちだ。「超高速大容量」という新たな世界では、事業領域を広げる好機と、スタートアップなど競争相手が果てしなく広がるリスクが同居する。

SBはむしろ、他業種との連携に活路を見いだそうとしている。主力の通信事業の社員のうち4割を人工知能(AI)など新規事業に振り向けることを決めた。すでに米シェアオフィス大手ウィーワーク、中国ライドシェアの滴滴出行とは合弁会社を設立し、日本で事業展開を本格化している。

強みとなるのが、親会社のSBGが傘下に抱える10兆円ファンドだ。SBの幹部は「SBGの出資先と組めば、M&A(合併・買収)などに頼らずとも新規事業を育てることができる」と自信をみせる。最先端のテクノロジーを持つ世界中のスタートアップと連携できる点では、NTTドコモやKDDIより優位との見方は少なくない。

もっとも非通信分野への業態転換は容易ではない。米ベライゾン・コミュニケーションズはAOLやヤフーなど大手ネット企業を買収したが、その後に事業が低迷し巨額損失を計上した。

当局に認可された3~4社の大手プレーヤーが、高い利益を享受してきたのがこれまでの通信事業。規制の傘にあった「虎の子」の収益力が細るなか、国内通信各社もライバルがひしめく非通信の新領域へと打って出ざるを得ない。

SBGの支援を受けながら、SB自身が描くコングロマリット(複合化)。国内最大のSBの上場が成功したとの評価を得られるかどうかは、その困難な取り組みの成否にかかっている。

(井川遼、佐竹実)

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