佐賀「いちごさん」今冬デビュー 打倒「あまおう」へ
新品種の名前は、ずばり「いちごさん」――。「さがほのか」の後継となる佐賀県産イチゴの新品種が今冬デビューすることになり、16日に佐賀市内でブランドの発表会が行われた。山口祥義知事は「全国の人に愛してもらえる、ど真ん中のクイーン・オブ・イチゴができた。高級志向の商品として差別化して、夢は世界制覇」と意気込んだ。
イチゴ業界は福岡県産「あまおう」や栃木県の「とちおとめ」といったブランドを追い越そうと開発が進み、産地間の競争が激しくなっている。佐賀県は主力「さがほのか」の後継品種を7年かけて開発、1万5千株の中から最優良株を選んだ。濃い赤色で果汁たっぷり。収量も多いのが特長で、粒も大きく端正な形でケーキ用にも向いている。従来の果肉が白いという「弱点」も改め、内側も赤くした。11月下旬から収穫・出荷を始め、12月上旬に東京と大阪で初荷式を行う。需要が増えるクリスマス期に向けてアピールする。
キャッチコピーは「眺めてうっとり、かじって甘い。」。考案したコピーライターの渡辺潤平氏は「食べた時の感動をそのまま名前にした。他県は意外にイチゴという言葉を使っていないことに気づき、子どもも覚えやすい、口にしてもらえる、一つの人格を持った名前がいいと思った」と説明。あえて名前から県名を外し「すごいだろというのではなく、いつもそばに寄り添ってくれて、みんながかわいがるものにした」と話した。