Google+ 閉鎖へ 50万人の個人情報流出の恐れ
【シリコンバレー=中西豊紀】米グーグルは8日、ソフトウエアの不具合から最大50万人分の個人情報が外部に流出する恐れがあるとして同社の交流サイト(SNS)サービス「グーグル+(プラス)」を閉鎖すると発表した。現時点で実際の情報の流出や不正利用の形跡はないという。フェイスブックに次いでグーグルでも、データ管理の不備が見つかった形だ。
不具合は個人向けのグーグルプラスで発覚した。不具合が生じた2015年から同社が対応措置をとった18年3月まで、外部のソフトウエア開発会社がサービス内の個人情報にアクセスできるようになっていた。対象はユーザーの名前や住所、電子メールアドレス、職業、性別、年齢で、人数は最大で50万人にのぼる。
グーグルは発表が8日になったことについて「実際にどのユーザーが影響を受けたか確認ができなかったため」としている。一方で米ウォール・ストリート・ジャーナルは同日、グーグルの発表前に情報流出の恐れを電子版で報道。同社が「企業の評判への影響と当局の調査を恐れて公表を伏せた」と厳しく指摘した。
同サービスはユーザー数や利用率が伸び悩んでいたこともあり、今後10カ月をかけて閉鎖する。現時点では外部会社によるデータの取得や、データの不正利用は見つかっていない。
米国では今年に入りSNS最大手のフェイスブックによる情報管理の不手際が発覚。英コンサルティング会社経由で最大8700万人分の個人情報が流出した恐れがあるほか、最大5000万人分のデータがハッキングのリスクにさらされていことも明らかになった。
同じく大量のデータを扱うグーグルは情報の保護管理では対応に優れているとされてきた。フェイスブックに対しては集団訴訟が起きたほか、一部議員がIT(情報技術)大手を念頭に置いた規制強化を訴えている。今回の問題を機にグーグルにも議会の矛先が向かう可能性がある。