NY商品、原油1カ月ぶり50ドル台回復 米中貿易協議の進展で
【NQNニューヨーク=戸部実華】9日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は8日続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の2月物は前日比2.58ドル高の1バレル52.36ドルで取引を終えた。50ドル台回復は1カ月ぶり。米中政府の貿易協議が順調だったとの報道が相次ぎ、世界景気への懸念が和らいだ。
7日に始まった米中の次官級の貿易協議では、中国による米国産の農産物やエネルギーの輸入拡大、知的財産権の保護などで歩み寄りがみられたと伝わった。米中貿易摩擦で世界景気が減速し原油需要が弱まるとの懸念が後退した。
サウジアラビアの減産観測も相場を支えた。9日はサウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が減産や輸出減に言及したと報じられた。石油輸出国機構(OPEC)加盟国やロシアが12月に決めた協調減産が、始まっているとの見方が強まった。
米エネルギー情報局(EIA)が9日発表した週間の石油在庫統計で原油在庫が減少したのも相場を支えた。ただ、同統計では最終商品のガソリンやヒーティングオイルなどの在庫は市場予想以上に大幅に増えたため、原油相場は伸び悩む場面もあった。
ニューヨーク金先物相場は反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である2月物は前日比6.1ドル高の1トロイオンス1292.0ドルで終えた。外国為替市場でドルがユーロや円などの主要通貨に対して下落し、ドルの代替投資先とされる金先物相場を支えた。