リコー、先端技術で再開発に貢献 神奈川の海老名駅西口再開発
リコーがJR海老名駅西口(神奈川県海老名市)の再開発に参加することで、先端技術を社会インフラ整備に応用した新たな街づくりが進みそうだ。来夏に再開発エリアに科学技術の体験学習拠点や、地域のベンチャー企業向けの共用オフィスが入居する施設を開く。リコーが提供する技術と地域との交流が街づくりに相乗効果をもたらす可能性もありそうだ。
再開発区域は14.1ヘクタールで「海老名駅西口土地区画整理組合」が事業を進めている。総事業費は約54億円。海老名市も約22億円を助成し、道路や駅前広場などを整備する。リコーは10日、この区域内に「リコーフューチャーハウス」を開設し、運営すると発表した。
施設は4階建てで、延べ床面積は約2400平方メートル。再開発で建設される建物を賃借する。地域貢献を考え、1階には住民が利用できるカフェレストランや、プリントや商業印刷などのサービスを提供する店舗を置く。
上層階には県内の大学と連携した科学技術の体験学習の拠点や共用オフィス、地域のベンチャー企業や起業家と協業できるインキュベーションセンターなどを設ける。
太陽光発電パネルや蓄電池などを採り入れた最先端のスマートハウスとする方針。施設を運営するなかで、新規事業の創出などにもつなげる。
同社は再開発地区の隣接地に約5200人の従業員がいる「リコーテクノロジーセンター」を運営している。環境配慮型の発光ダイオード(LED)街灯や防犯システム、省エネシステムといったリコーの持つ技術やノウハウを、新しい街の社会インフラ整備などに生かす考えだ。
リコーは現在、海老名駅西口地区のまちづくり協議会に参加している。2015年10月に予定する街びらき後も、地区の管理組織に参加する計画だ。地域で最大級の事業所として「海老名市のまちづくり、地域社会・経済の活性化の支援をしたい」(UDセンターの内田定一センター長)。
西口再開発地区では街びらきに向けて工事が進んでいる。三井不動産が商業施設「ららぽーと」の建設に着工したほか、相鉄ホールディングス子会社などが商業と住宅の複合施設やマンション、戸建て住宅を整備する。計画人口は3000人。
海老名駅はJR相模線、小田急小田原線、相模鉄道本線が通り、東名高速道路や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)も近い。東口には大型複合商業施設などがあるが、西口には田畑や宅地が広がっていた。
関連企業・業界