光で1日の生活リズム回復 北大大学院チームが解明
体内時計の遺伝子がない幼少期のマウスに光を当て続けると、睡眠や目覚めをほぼ1日周期で繰り返す生活のリズム(概日リズム)が回復することを北海道大大学院医学研究科の本間研一客員教授らの研究チームが突き止めた。22日までに、米オンライン科学誌に発表した。
人間はこの遺伝子を持っているが、研究チームは「人間も幼少期の光の環境が、大人になってからの概日リズムに影響を及ぼしている可能性が高い」とし、概日リズム障害の治療法につながることが期待できると指摘している。
研究チームによると、哺乳類は脳内の体内時計中枢が全身に時間の情報を送り、概日リズムを保っている。体内時計の遺伝子の一種、クリプトクロムがないと離乳時期ごろから概日リズムが維持できなくなることがこれまでに判明していた。
研究ではクリプトクロムがないマウスに離乳後3週間光を当て続け、その後、光が当たらない場所で飼育した。1日の行動量を測ると、概日リズムが回復していた。成長したマウスに光を当て続けても回復しなかった。
人間も体内時計の遺伝子を持ち、概日リズムを維持している。ただ、クリプトクロム以外の遺伝子が変異して朝起きることができなくなったり、早寝早起きになり過ぎたりする人がいるという。〔共同〕