シャープ、ドバイで植物工場実験 LEDでイチゴ栽培
シャープは20日、光や空気環境を制御してイチゴを育てる植物工場の実験をドバイで始めたと発表した。発光ダイオード(LED)照明や空気清浄の独自技術を活用。中近東のほかの国・地域での実用化も検討する。パナソニックも2013年度中に福島工場(福島市)の空きスペースで野菜を栽培する計画。本業の家電の需要が伸び悩むなかで既存技術の新たな用途を探る。
シャープはドバイにある販売子会社の倉庫内にイチゴを最大で月3千個栽培できる設備を設置。専用に開発したLEDや空気浄化技術「プラズマクラスター」を活用、八尾工場(大阪府八尾市)から遠隔操作で工場内の光や菌の量、温度、湿度を制御する。15年3月まで実験した後、事業化の可否を判断する。
イチゴは中近東で高級食材として人気が高い。さらにドバイは日本に比べ植物工場を運営する場合の光熱費や人件費が安い。ドバイで事業化できれば、中近東の他国でも展開できるとみている。
パナソニックはまず、腎臓病患者向けにカリウム含有量の低いレタスを1日2000個程度出荷する。復興庁と経済産業省の「先端農業産業化システム実証事業」に採択された。国から最大3億円の補助金を得て、施設整備などに充てる。
福島工場はデジタルカメラの販売不振や生産の海外移転を受け、余剰スペースが発生していた。野菜栽培の実証事業を通じてLED照明や空調などをシステム化し、農業向けに用途開拓したい考えだ。
関連企業・業界