最大2000台のLED照明を個別制御できるシステム
遠藤照明は、商業施設や工場、オフィスなどの複数の発光ダイオード(LED)照明の明るさを個別に制御できる無線調光システム「無線コントロールシステム Smart LEDZ」(以下、Smart LEDZ)を2013年9月に発売する。専用のタブレット端末から最大2000台のLED照明の制御が可能だ。
同システムは、コントローラとなる専用タブレットと、LED照明への信号を中継するゲートウエイ、ワイヤレス通信モジュールを組み込んだLED照明器具/LED照明光源から成る。ゲートウエイを介して、タブレットからLED照明を1台ずつ制御できる。複数の照明をグルーピングしてまとめて調光することも可能だ。
1台のゲートウエイで半径40m以内の200台のLED照明を制御でき、1台のタブレットで10台までのゲートウエイに対応する。ワイヤレスシステムなのでゲートウエイへの配電などを除けば配線工事が不要となるため、有線の調光システムに比べて導入コストを抑えられるとする。タブレットとゲートウエイの通信にはWi-Fiベースの方式を、ゲートウエイとLED照明のワイヤレスモジュールとの通信にはZigBeeベースの方式を採用した。
スケジュール機能も備えており、夜間の過度な照度を自動で抑えるなど時間や季節に応じて調光することで省エネルギー効果も期待できる。時間経過とともにLED光源の照度が減衰することを見越して初期の明るさを抑制する「初期照度補正機能」も用意している。オプションの「照度/人感センサー」を使えばさらに消費電力を抑えられる。同社が2013年6月に発売した発光効率160lm(ルーメン)/Wの直管型LED照明「LEDZ TUBE Ss Type」を使えば、従来の蛍光灯に比べて最大80%の省エネが期待できるという。
「将来は全ての自社のLED照明を無線制御できるようにしたい」(同社代表取締役社長の遠藤良三氏)。同年9月に基本パックを発売し、同年10月には市販のスマートフォンからの操作も可能にする計画。加えて、同年冬にはピーク時に自動で電力をカットする「デマンド制御」に、2014年春にはビル・マネジメント・システム(BMS)との連動に対応する予定だ。
(日経ものづくり 吉田勝)
[Tech-On! 2013年7月4日掲載]