北朝鮮、米に「核の傘」要求? 金正恩氏の柔軟外交も示唆
「米国が核の傘を提供してくれれば、核兵器を持つ必要がなくなる」。米ニューヨークで先週開いたセミナーに参加した北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務省米州副局長が「核放棄の可能性」に言及した。「韓国は核の傘の提供を受けるから核兵器を持つ必要がない」と主張した。
セミナーに出席した韓国の孫鶴圭(ソン・ハッキュ)前民主党(現民主統合党)代表が12日、ソウル市内のシンポジウムで明らかにした。「核の傘」は核を持たない同盟国への核攻撃を抑止するために用いる表現で、同盟関係にない米朝間では成り立たない。北朝鮮が現状で核放棄に応じるとは考えにくいが、「米朝関係を改善したい強い意志」(孫前代表)を表現したとみられる。
6カ国協議首席代表の李容浩(リ・ヨンホ)外務次官も「我々は過去とは異なり新たな変化を追求する」と強調。指導者の金正恩(キム・ジョンウン)党中央軍事委副委員長が柔軟な外交に出る可能性を示唆した。(ソウル=山口真典)