IAEAがストレステスト検証へ 来日調査団が評価会合
政府の要請で来日した国際原子力機関(IAEA)の調査団は23日午前、原子力発電所の再稼働の条件となるストレステスト(耐性調査)の評価会合を、東京都内の経済産業省原子力安全・保安院で開いた。26日には関西電力大飯原発3、4号機(福井県)を視察し、ストレステストが適切に実施されているか検証する。31日まで実施し、保安院に評価書を提出する方針だ。
評価会合にはIAEAや米英などの原子力の専門家10人が参加した。調査団を代表し、IAEAのジェームズ・E・ライオンズ原子力施設安全部長は23日、「保安院の評価方法に対し、包括的な審査をしたい」と表明。保安院の黒木慎一審議官は「いただいた意見は今後の評価手法に生かしていきたい」と述べた。
保安院はすでにストレステストの第1弾となる関電大飯3、4号機の安全性を妥当と評価し、審査書の素案を18日の専門家の意見聴取会に提示した。IAEA調査団は保安院の審査書について、評価手法が適切かどうか現地視察の結果と合わせて助言する。
保安院はIAEAの評価を踏まえて正式な審査書を作成し、2月にも内閣府原子力安全委員会に報告する。その後、野田佳彦首相と関係閣僚が原発の再稼働方針を政治判断する。立地自治体の了承が得られれば、東日本大震災後初めての原発再稼働が可能になる。
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