「死なない 愛してる」 津波で死亡の女性、直前メール
南三陸町の女性職員
東日本大震災の津波に襲われた宮城県南三陸町の防災対策庁舎で亡くなった町職員、三浦亜梨沙さん(当時24)が、流される直前、交際していた男性に「死なない!!愛してる!!」などとメールを送っていたことが5日、分かった。やりとりされたメールは5通。緊迫する状況で互いの安否を気遣い励まし続けていた。
亜梨沙さんの母、悦子さん(54)は「1月に遺体が見つかり、つらい時期もあった。もうすぐ1年で、メールもやっと見られるようになった」と話している。
最初のメールは、地震発生17分後の午後3時3分、男性に「6メーターの津波きます 頑張って生きます」と送った。1分後に悦子さんにもメールを送ったが電波状況が悪く、悦子さんが見たのは数日後だった。
男性が同11分に「ぜってー死ぬなよ!」と返信すると、亜梨沙さんはその7分後「うん、死なない!!愛してる!!」と送信。庁舎前の川の水量が増し、職員が屋上に退避し始めるころだ。
男性は3時21分に「オレも愛してるよ あ、こっちはなんともねぇ」とハートの絵文字を付けて返信。男性も県沿岸部の町で勤務しており、無事を確認した亜梨沙さんは同27分に「よかった~!!」。続けて「大津波きた!!」などと送った。
3階建ての庁舎屋上にいた多数の職員が流されたのは午後3時33分前後。男性はその後も送信を続けたが、返信はなかった。男性は昨秋、亜梨沙さんの写真やメールを遺族に届けた。〔共同〕