ドコモ、らでぃっしゅぼーや買収 成長へ異業種連携
野菜通販、スマホ活用
NTTドコモは30日、野菜宅配大手のらでぃっしゅぼーやを買収すると発表した。買収額は約69億円。全株式のうち約20%分をローソンに譲渡する。同社の持つ物流ノウハウも活用し、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)で農作物を発注し受け取れるサービスを始める。ドコモは携帯電話市場が成熟する中、通信以外の企業との連携で新規事業の育成を急ぐ。
ドコモは1月31日から3月12日にかけてTOB(株式公開買い付け)を実施し、らでぃっしゅぼーやの100%子会社化を目指す。TOB価格は1株990円。30日の終値は723円だった。
らでぃっしゅぼーやは全国の契約農家から買い付けた有機野菜などを集めてパッケージ化し、契約者に定期的に届ける事業が主力で契約者は10万6000世帯。
両社はスマホやタブレットを使った注文システムを構築しドコモの約6000万件の顧客基盤を生かして取引を増やす。携帯電話料金と一緒に代金を回収、ドコモの顧客情報をもとに商品を薦める機能も設ける。
約2600軒の契約農家にドコモのタブレット端末などをわたし、生産履歴の管理に役立てることも検討している。
ローソンは昨年10月から、らでぃっしゅと共同でネット通販サイトを運営。らでぃっしゅの野菜を使った飲料や食品をローソン店頭で売ることも検討している。ネット事業全体で2010年度に約440億円だった売上高を15年度に3000億円に引き上げる考え。
ドコモは新規事業の売上高を15年度までに11年度比2.5倍の1兆円に拡大する方針を掲げる。M&A(合併・買収)などをテコに金融、環境、物販、医療などの他分野との連携を加速している。