台湾総統選、現職・馬氏が勝利宣言
【台北=菅原透】台湾の総統選挙は14日午後4時(日本時間同5時)に投票を締め切り、開票が始まった。中央選挙委員会によると、午後8時(同午後9時)現在、現職で中国との融和を志向する馬英九総統(国民党主席)の得票率が51.3%と、台湾独立を志向する野党・民進党の蔡英文主席(45.8%)をリード。馬総統の再選が確実となった。馬総統は同日夜、勝利宣言した。
台湾の最高指導者である総統を住民の直接投票で選ぶのは今回が5回目。新しい総統の任期は5月20日から4年。
今回の総統選には3人が立候補。馬総統と蔡主席の事実上の一騎打ちとなった。焦点は中国との関係と経済政策に絞られた。馬氏は副総統候補の呉敦義・行政院長(首相、63)と組んで選挙戦を戦い、蔡主席と副総統候補の蘇嘉全・民進党秘書長(55)を下した。
馬総統は2008年まで8年間の民進党政権下で停滞した対中関係の改善や、金融危機からの経済のV字回復など4年間の実績をアピールした。
蔡主席は貧富の格差や失業への対策など低所得者層への配慮に重点を置く姿勢を強調していた。政権獲得後は党派を超えて幅広い人材を登用する「大連合政府」構想を打ち出し、対中政策などへの不安打ち消しに努め終盤戦にかけて猛追した。
国民党が政権を奪還した08年の前回選挙の得票率は馬氏が58%に達し、民進党候補(42%)を大きく引き離して圧勝した。ただ、馬政権下での急速な対中接近への警戒感から、蔡主席の支持も広がり、選挙終盤まで接戦となった。
総統選と初めて同時投票された立法院(国会、定数113)選挙は国民党(現有72議席)が大幅に議席を減らすとみられている。同党が過半数の57議席を維持できるかが焦点だ。