新周波数、ソフトバンクが獲得へ 総務省29日決定
携帯電波の逼迫度などに配慮
総務省が予定する携帯電話向けの新たな電波の割当先がソフトバンクモバイルになることが確実となった。29日に開く総務省の電波監理審議会を経て決める。携帯各社の事業計画を審査、協議し電波の逼迫度などからソフトバンクに優先的に配分すべきだと判断したもようだ。ソフトバンクが新たな電波を獲得することで携帯3社は通信品質で肩を並べることになり、顧客獲得競争が一段と激しくなる。
NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、イー・アクセスの携帯4社が携帯向けの新たな周波数帯の割り当てを総務省に申請、事業計画を提出していた。電波を獲得した場合の基地局開設などによるエリアの整備計画、消費者の利便性の向上などを検討材料としてきた。
新たに割り当てる900メガ(メガは100万)ヘルツ帯の周波数は障害物があっても届きやすい特性を持つ。現在、ソフトバンクが保有している1ギガ(ギガは10億)ヘルツ以上の周波数は直進性が強く、障害物があると電波が届きにくい。ドコモとKDDIは800メガヘルツ帯を保有しており、ソフトバンクは通信品質の面で不利だと主張していた。
1月末の国内携帯電話の契約数はドコモが5971万件、KDDIが3447万件、ソフトバンクが2806万件。携帯大手3社ではソフトバンクが最後発だが、米アップル製のスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」を国内でいち早く投入したほか、低価格戦略を打ち出して上位2社を追い上げている。
3社がほぼ同じ周波数帯の電波を保有することで、今後の競争は料金や端末の品ぞろえ、コンテンツ(情報の内容)サービスなどに移る。
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