IAEA調査団がイランに出発　成果は不透明

【ウィーン=共同】イランの核兵器開発の疑惑解明を目指す国際原子力機関（IAEA）の高官級調査団が19日、本部があるウィーンからイランの首都テヘランに向かった。1月末に続く訪問で、今回は20日から2日間、イラン側と協議する。

だが、イラン側は前回訪問時に協力的姿勢を示さなかった上、今回の訪問でも協議内容は固まっていないとみられ、疑惑解明に直結する成果を得られるか不透明だ。

5人の調査団を率いるIAEA査察部門トップのナカーツ事務次長は19日、ウィーンの空港で「具体的な成果」を目指すとしながらも「案件は複雑で（進展には）時間がかかりそうだ」と述べた。

IAEAは調査結果を3月の理事会（日米など35カ国）に報告する。イスラエルによるイラン核施設への空爆の可能性が取り沙汰されるなど情勢が緊迫する中、今回の調査でも具体的な進展がなければ、欧米のイランへの反発は必至だ。

IAEAに近い外交筋によると、イラン側は1月末の調査時に協議の進行方法をめぐる手続き論に終始。核兵器開発の関連実験が行われた可能性があり、疑惑解明の鍵となるテヘラン郊外のパルチン軍事施設への立ち入りも拒否したという。