首相「消費増税幅に15年の段階で影響せず」
参院代表質問 新年金制度の財源試算、公表せず
参院は30日午前、野田佳彦首相の施政方針演説など政府4演説への代表質問を実施した。首相は民主党が掲げた最低保障年金の創設を柱とした新年金制度に必要な財源の試算を当面公表しない考えを示した。消費税率を2015年10月までに2段階で10%に引き上げる計画にも影響はないとの見解を明らかにした。
首相は新年金制度について「具体的な制度設計は民主党内で検討する」と党の判断に委ねる方針を表明。そのうえで「15年の段階で消費税率の引き上げ幅に影響を及ぼすほどの大きな追加財源が必要になるものではない」と説明した。公明党の山口那津男代表への答弁。
山口氏は年金財源の試算について「膨大な消費税が別に必要になるとか受け取る年金額が現行制度より減る人がいるとか言われたくらいでやめないでください」と公表を要請した。年金制度の抜本改革を含む社会保障の全体像も「明らかにしてこそ与野党の協議が国民のために実りあるものとなる」と、早期提示が首相の求める与野党協議の前提との認識を示した。
首相は「15年までの間、新年金制度の方向性に沿って現行制度の改善を図り、今国会への必要な法案の提出に向けて検討を進める」と述べるにとどめた。
原子力災害対策本部など東日本大震災関連の会議で議事録を作成していなかった問題には「震災直後の緊急事態であったことや記録を残すことの認識が不十分だった」と釈明。「誠に遺憾だ」と強調した。