元代表側「手応え」と自信 指定弁護士側「予期した回答」
小沢元代表の弁護団と検察官役の指定弁護士は閉廷後の11日夕、東京都内で2日間にわたる被告人質問を振り返った。
「きちんとお話しになった。弁護団としては手応えを感じている」。全面無罪を主張する元代表側の弘中惇一郎弁護士は東京・霞が関の司法クラブで会見し、淡々とした表情と口調で自信をのぞかせた。「証言がぶれたことも(指定弁護士側から)びっくりする事実を突きつけられたこともない。裁判官にも主張を理解していただけたのでは」
4億円の原資についても「かなり詳しく具体的に申し上げた。すべて個人のお金。説明は一つも変わっていない」と強調。指定弁護士側がカネの流れが不自然と指摘したことについては「調書の一部だけ読むからそう聞こえる。ミスリーディングだ」と語気を強めて批判した。
一方、元代表を強制起訴した指定弁護士側の大室俊三弁護士は都内の事務所で記者団に対し、被告人質問について「ほぼ予期していた回答だった」と指摘。著書の印税や議員報酬など元代表のほぼ全収入が入るメーン口座から出金がないことが明らかになったとし「(元代表が用立てた)1億円単位の金がどの口座から引き出されたか不明なままだ」と強調した。
成果については「否認が根拠のないものと示すことが最低限の目標だったが、達成されたかどうかの判断は(裁判所に)委ねたい」と述べるにとどめた。