日米、21分野で情報交換 TPP交渉参加の実務者協議
【ワシントン=御調昌邦】日米両政府は22日、米ワシントンで21日から開いていた日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に関する実務者協議を終えた。今回の会合では現在TPPで交渉されている21分野ごとに日米間で情報を交換。終了後、外務省の片上慶一・経済外交担当大使は記者団に「(TPPの)各分野でかなり突っ込んだ議論をした」と述べたうえで、2国間協議を続けていくことを明らかにした。
事前協議の焦点となっている日本の自動車・農産物市場などの閉鎖性に関して、日本側関係者は「個別分野について具体的な要請はなかった」としている。次回の日程や協議者のレベルなどについては「現段階では全く分からない」という。
日米の事前協議は今月7日に初会合を開催。前回は局長級だったが、今回は実務者らが協議。米側が分野ごとに交渉の現状を説明し、日本からは関連する法令や制度、既に締結済みの経済連携協定(EPA)の概要などを説明したという。
会合終了後、米通商代表部(USTR)は「米国にとって、TPPの高い基準を満たす必要がある日本の準備状況の評価を継続する機会となった」との声明を発表した。
これに関連し、米下院歳入委員会のキャンプ委員長(共和)は22日、USTRのカーク代表を呼んで米通商政策についての公聴会を29日に開くと発表した。声明で、TPPなどについて「積極的に前進するか重要な地点にいる」と指摘。公聴会で、日本のTPP参加問題も議論になる可能性がある。