武田薬品、がん研究の米ベンチャー買収 150億円で
武田薬品工業は21日、がん分野の研究に強い米ベンチャーのインテリキン(カリフォルニア州)を買収すると発表した。1億9千万ドル(約150億円)を投じ、2012年1月に完全子会社化する。抗がん剤の新薬候補を拡充し、がん事業の強化につなげる。
インテリキンは07年に設立された非上場のベンチャーで、資本金は4100万ドル。36人の社員の大部分が研究者で、人体の酵素の働きを生かした新薬研究に強いが、発売に至った医薬品はない。
現在は2種類の抗がん剤で安全性などを確かめる最初の段階の臨床試験(治験)を実施しており、この抗がん剤の開発は武田薬品の米子会社ミレニアム・ファーマシューティカルズが引き継いで製品化を目指す。
武田薬品は高血圧や糖尿病といった生活習慣病の治療薬が主力製品だが、今後の市場拡大が見込める抗がん剤への事業シフトを急いでいる。インテリキンの買収で、がん分野の基礎研究力を高める効果も見込んでいる。
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