中国、時速500キロ超の新型列車 事故報告待たず
安全性優先求める声も
【北京=共同】26日の新華社電によると、中国国有の鉄道車両メーカー「中国南車」は25日、500キロを超える最高時速を出す性能を持つ中国最速の試験用新型列車を公開した。40人が死亡した浙江省の高速鉄道事故を受け、政府が8月に高速鉄道の営業速度引き下げを指示してからわずか4カ月。事故調査報告書はまだ公表されておらず、事故の区切りが付いていない段階で高速技術を追求する姿勢を見せたことに疑問が投げ掛けられそうだ。
北京交通大の趙堅教授は中国紙に「中国に必要なのは安全性を高める研究だ」と述べ、高速技術の開発は不要だと指摘している。
中国南車によると、新型列車は、川崎重工業から導入した日本の新幹線「はやて」などの技術をベースに開発した列車CRH380Aを改良。車両を動かすための電力を引き上げ、空気抵抗を抑えるため先頭車両の形が鋭くなっている。設計した技術者は「中国の古代の剣をイメージした」と話している。
CRH380Aは昨年12月の試験走行で時速486.1キロと最速記録を更新し、日本の新幹線を追い抜いた。フランス高速鉄道TGVは2007年の試験走行で時速574.8キロを達成した。
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