NY円、続伸 1ドル=76円70~80銭で終了 米GDP低調で
【NQNニューヨーク=古江敦子】29日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前日比90銭円高・ドル安の1ドル=76円70~80銭とこの日の高値圏で取引を終えた。一時76円72銭と、最高値を付けた3月17日以来、約4カ月半ぶりの水準を付けた。米連邦債務の上限引き上げを巡る与野党の交渉に進展が見られなかったうえ、4~6月期の米実質国内総生産(GDP)など低調な経済指標の発表が相次ぎ、円買い・ドル売りが優勢となった。
朝方発表のGDPの伸び率は市場予想を下回り、1~3月期が大幅に下方修正された。7月のシカゴ購買部協会景気指数と同米消費者態度指数(確報値、ミシガン大学調べ)も市場予想に届かず、米景気減速への懸念が広がった。投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、ドルを売って円やスイスフランを買う動きが加速した。
円の安値は朝方に付けた77円59銭だった。
円は対ユーロで3日続伸し、前日比90銭円高・ユーロ安の1ユーロ=110円40~50銭で取引を終えた。対ドルでの円買いが波及した。スペインやイタリアの国債利回りが上昇するなど欧州の財務問題への警戒感も根強く、円買いが広がりやすかった。
ユーロは対ドルで3日ぶりに反発。前日終値の1ユーロ=1.43ドル台前半から1.44ドルちょうど前後に上昇した。低調な米経済指標を受け、米国の緩和的な金融政策が長期化するとの観測が強まり、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。債務上限問題を巡る調整の難航も、引き続きドル売り材料だった。この日の高値は1.4414ドル、安値は1.4243ドルだった。
スイスフランは対ドルで上昇し、前日の1ドル=0.80スイスフラン台前半から、0.78スイスフラン後半に水準を切り上げた。一時0.7853スイスフラン近辺まで上昇し、最高値を更新した。