福島産米、放射線検出せず 収穫前の千葉産は微量検出
福島県は25日、県内で今年初めて収穫された早場米について、放射性物質は検出されなかったと発表した。検査したのは同県会津坂下町の水田で収穫された玄米。一方、千葉県は同日、白井市で栽培されたコメの収穫前の予備検査で、一部のコメから1キログラム当たり47ベクレルと微量の放射性セシウムが検出されたと発表した。東京電力福島第1原発の事故後、コメからの放射性物質検出は、茨城県鉾田市に続いて2例目。
千葉県は、検出された放射線量が、第2段階の収穫後検査に移行する目安として国が提示した1キログラム当たり200ベクレルを大幅に下回ったため、「全く問題はない」(安全農業推進課)としている。
収穫後のコメについて、国が定めた放射性セシウムの暫定規制値は玄米1キログラム当たり500ベクレル。福島県は22日に収穫した早場米から、24日に4つの検体(計2000グラム)を採取。25日に県農業総合センター(郡山市)で検査した結果、いずれも検出限界値(同5~10ベクレル)を下回った。
同町は県西部に位置し、福島第1原発から西へ約100キロメートル離れている。同県の鈴木義仁農林水産部長は「会津地方は放射線量が低く、初めての検査結果としてはよかったが今後もしっかり検査したい」と話している。
福島県は早場米について、20市町村の107カ所で検体を採取し、順次検査する。26日に県中部の郡山、本宮、二本松市のコメを調べ、9月9日までに検査を終える予定だ。一般米は9月中旬から10月初旬に検査する。
千葉県の今回の検査は空間放射線量が高い地域で収穫前のコメを対象とした予備検査。同県は今月22日、白井市内の2カ所で玄米を採取し、このうち1カ所の餅米「こがねもち」からセシウムを検出した。
今月末までに行う本検査で放射性セシウムが1キログラム当たり500ベクレルを下回れば、出荷、販売が可能となる。
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