首都・平壌 悲しみの表情 泣き叫び、うなだれる市民
【平壌、北京=共同】泣き叫び、うなだれる市民。ショックに虚脱状態の姿も―。金正日総書記死去が発表された19日、北朝鮮では首都平壌など各地で人々が集まり、悲しみをあらわにした。後継者、金正恩氏の名前を挙げ「しっかり支える」との声も上がった。
平壌市内の工場ではホールに多数の職員が集まり、金総書記の死去を伝える19日正午(日本時間同)からのニュースに聞き入った。始まった途端、女性職員を中心に悲鳴が上がり、おえつが漏れ始めた。男性職員も涙を流し、ぼうぜん自失の表情も。
同工場の女性職員(24)は涙を流しながら「将軍様(金総書記)を工場に迎えるために、芸術公演の準備をしながら待っていた」と説明。「金正恩同志を私たちの工場に迎える日のために、さらに熱心に仕事に励みたい」と語った。
故金日成主席の銅像がある「万寿台の丘」や金総書記が卒業した金日成総合大学構内には19日午後から訃報を聞いた多数の市民が集まり、黙とうをささげたり、献花したりした。万寿台の丘を訪れた市民(31)は「敬愛する将軍様が突然亡くなったことが信じられない」。そして「金正恩同志を高くいただき、仕事にまい進したい」と言葉を続けた。
朝鮮中央通信によると、南東部の江原道でも市民が金主席の銅像などに集まった。農場幹部の女性(55)は「空が崩れ、地面がへこむような気持ち。どう表現すれば分からない」と訴え、大学教員の男性(36)は「悲しみを勇気に変え難局を勝ち抜くために、金正恩同志の指導の下、闘っていく」と語った。