JR東海、リニア実験線での500キロ走行終了
東海旅客鉄道(JR東海)は21日、9月末で試験を終えるリニア中央新幹線の実験線での走行を山梨県内で報道陣に公開した。営業速度とする時速500キロでの走行を同日までに終えた。2013年末の完成を目指して延伸工事を進める方針。山梨実験センターの遠藤泰和所長は「営業をにらんだマニュアルづくりや人材育成に加え、低コスト技術を磨く」と説明した。
リニアは軌道の両側にコイルがある側壁があり、新幹線と比べても雨や風に強い。台風15号が接近する中での公開となったが、約4時間半で18.4キロを20往復する試験を実施した。遠藤所長は「飛来物への対策が求められるが、強い風雨のなかでの安定走行を確認できた」と述べた。
リニア実験線は現在の18.4キロ(山梨県大月市―都留市)から、約3550億円をかけ42.8キロ(笛吹市―上野原市)に延ばす。遠藤所長は延伸後について「長い編成による走行が可能になり、エネルギー消費や環境性能などを最終点検する体制が整う」と話した。
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