米国株、ダウ6日続落96ドル安 1カ月ぶり安値 米GDP低調
【NQNニューヨーク=川内資子】29日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は6日続落した。終値は前日比96ドル87セント(0.8%)安の1万2143ドル24セントと、6月27日以来、約1カ月ぶりの安値となった。朝方発表の4~6月期の米実質国内総生産(GDP)が市場予想を下回り、米景気の減速懸念から売りが優勢となった。
GDPは前期比年率1.3%増と市場予想(1.8%増)を下回った。1~3月期は0.4%増と、従来の1.9%増から大幅に下方修正された。年前半の米景気は非常に弱かったと受け止められた。7月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)や消費者態度指数も市場予想に届かず、米景気の先行き不透明感が強まった。
米連邦政府の債務上限引き上げを巡る与野党の調整が難航していることも、相場の重荷となった。米上下院が29日夕から週末に債務上限引き上げ法案の採決をすると伝わっているが、週明けまでに合意点を見い出せないとの見方は根強い。
前日まで下落が続いた後とあって、短期的な戻りを期待する買いにより上げる場面もあった。ただ、買いは続かず、引けにかけて再び下げ幅を広げた。
ナスダック総合株価指数は反落。同9.87ポイント(0.4%)安の2756.38と、6月29日以来の安値で終えた。
業種別S&P500種株価指数では全10種が下落。「エネルギー」や「素材」の下げが目立った。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約12億1000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約22億5000万株だった。
決算と同時に従業員を削減する方針を示した製薬大手メルクが下落。前日夕に赤字決算と市場予想を下回る利益見通しを発表した通信機器大手モトローラ・モビリティー・ホールディングスも下げた。予想を下回る決算を発表した金鉱大手ニューモント・マイニングが大幅安となった。
一方、予想を上回る決算と利益見通しの引き上げを発表したコーヒーチェーン大手スターバックスが小高く終えた。