日本の再生エネルギー特許 出願数上位でも利用低迷
キヤノン3位が最高 米社調べ
米調査会社のトムソン・ロイターが28日発表した再生可能エネルギー分野の特許調査で、日本企業が持つ特許の競争力の弱さが浮き彫りになった。日本企業が強いとされる太陽光発電関連でも、他社による特許の引用はキヤノンの3位が最高で、独メルクなど欧米勢の後じんを拝した。
再生可能エネルギー市場が拡大するなか、特徴ある技術の開発を急ぐ必要がありそうだ。
トムソン社は今年6月までに世界各国で出願された特許を集計した。太陽光発電関連の1991~2010年までの世界の特許出願数をみると、1347件のシャープが最多。京セラや三洋電機など6位まで日本企業が独占した。
一方、他社が使用料を払って特許を利用した件数は、キヤノンが98年に欧州で公開した太陽電池の最小部位「セル」の生産技術が3位で日本勢では最高。同社は太陽電池事業から事実上撤退している。シャープは14位だった。首位は仏石油大手トタル傘下の米サンパワー、2位は独メルクだった。
風力やバイオマス(生物資源)、地熱発電分野でも、日本企業が持つ特許が引用された例は数件にとどまる。中国企業などは低価格製品で攻勢ををかけており、日本企業が技術力で対抗できるかは不透明な情勢になっているようだ。