6中全会閉幕、ネット規制強化へ 中国、権力闘争激化も
【北京=島田学】中国共産党は18日に閉幕した第17期中央委員会第6回全体会議(6中全会)で、国際競争力を持つ文化産業の育成などで文化強国を目指すとしたコミュニケを採択した。文化の発展には公益性への配慮も必要だとし、社会の治安安定を優先する方針も打ち出した。来年秋の次期指導部への円滑な権力移行をにらみ、インターネット規制など社会管理を一層強める考えだ。
習近平国家副主席を中心とする次期指導部人事の調整も議題になったとみられる。胡錦濤党総書記(国家主席)が総書記職を退くとみられる来年秋の党大会まであと1年に迫り、党内の権力闘争は激しさを増しそうだ。
中国の国営メディアを通じて公表したコミュニケでは「社会の変革期にあたり、民族の団結力と創造力の源泉としての文化の重要性は増している」と指摘。経済だけでなく「文化の国際的な影響力を増強することが必要だ」と強調した。中華民族の復興をキーワードに文化強国を目指す姿勢を示し、国威発揚と党の求心力向上を狙った。
コミュニケでは「文化領域での党の指導を強化する必要がある」と明記。特に「ネット文化の健全な発展」などを課題に挙げた。文化や社会規範のレベルで党の統制を強め、将来的に反党・政府思想が芽生えるのを防ぎたいとの思惑がある。
中でも当局が監視を強め始めたのがミニブログだ。7月の高速鉄道事故の際にブログで政府を批判する書き込みが相次ぎ、指導部は国民の不満がネットを通じて拡散することへの懸念を強めた。今月13日には国務院国家インターネット情報弁公室が地方の公安当局者らを北京に招集し、ブログへの監視強化を決めた。