中国の太陽電池メーカー、NYで株価急落 河川汚染で処分
晶科能源控股、工場から有害物質
ニューヨーク証券取引所に上場する中国の太陽電池メーカー、晶科能源控股の株価が急落している。19日に一時前週末比29%安の6.44ドルまで下げた。同社の工場から有害物質が周辺の河川に流れ出し、魚の大量死が発生。健康被害を訴える近隣住民が3日間にわたって工場に押しかけて抗議し、罰金処分や操業停止に発展した。中国企業の「環境汚染リスク」への不安が大量の売りを招いたようだ。
19日終値は28%安の6.50ドルで、20日も続落して始まった。この問題は中国浙江省東部、海寧市にある晶科能源の子会社、浙江晶科能源の工場で発生。太陽電池の生産過程で発生するフッ素化合物を含む廃棄物が処理されないまま周辺の河川に流れ出し、環境汚染を起こしたとされる。市環境局は47万元(約560万円)の罰金を科し、生産停止も命じた。
晶科能源は19日に周辺住民や従業員に謝罪するとともに、操業停止の事実を認めた。しかし、生産には「実質的な影響はない」としたうえで、「数日で操業を再開する」との見通しを示した。(香港=川瀬憲司)