浪江町の子ども、生涯3ミリシーベルト未満も 内部被曝調査で
東京電力福島第1原子力発電所事故で福島県の健康管理調査を先行的に受けた住民3373人のうち、内部被曝(ひばく)線量が最も高かったのは同県浪江町の子ども2人で、生涯3ミリシーベルト未満と推計されることが分かった。県が12日に公表。「全員健康に影響が及ぶ数値ではない」としている。
先行調査は浪江町をはじめ、川俣町、飯舘村など11市町村の住民が対象で、4~9歳は1149人、10代は1433人、20歳以上は791人。そのうち内部被曝線量が最大だったのは浪江町の男児(7)と女児(5)で、2ミリシーベルト以上3ミリシーベルト未満だった。1ミリシーベルト以上2ミリシーベルト未満は同町の5~7歳の男女5人。残る全員は1ミリシーベルト未満だった。
内部被曝は食事や呼吸などで放射性物質を体内に取り込むことによって受ける。県は、8月から約200万人の全県民を対象とした健康管理調査を本格化させたが、原発事故による被曝のリスクが高い地域を対象に先行的に内部被曝検査を実施した。
11市町村の住民は6月27日~8月31日にかけて、千葉市の放射線医学総合研究所や茨城県東海村の日本原子力研究開発機構にあるホールボディーカウンターと呼ばれる装置で受診。成人の場合は今後50年間、子どもは70歳になるまでの累積の内部被曝線量を推計した。〔共同〕
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