大韓航空の利用自粛を 外務省が全職員に指示
竹島上空デモ飛行に抗議
外務省の高橋千秋副大臣は14日の記者会見で、同省の全職員に対して公務での大韓航空機の利用を18日から1カ月間、自粛するよう指示したことを明らかにした。同航空のエアバスA380機が6月16日に竹島(韓国名・独島)上空をデモ飛行し、日本の領空を侵犯したことへの抗議措置。同期間中は外務省が主催、共催する行事に大韓航空関係者を招待しない方針も公表した。
高橋副大臣は「明確な領土侵犯なので強い意志表明をした」と説明した。外務省が特定の航空会社の利用を抗議として自粛するのは初めて。
政府は6月21日にソウルの日本大使館を通じて韓国政府に抗議したが、追加措置を検討していた。大韓航空が日本航空など他社の便名も付して共同運航する便は除くという。外務省職員は公務で日本の航空会社を使うことが多く、実質的な影響は軽微とみられる。
【ソウル=山口真典】韓国外交通商省報道官は14日の定例記者会見で、外務省職員の大韓航空機利用自粛について「民間企業への制裁であり現在の(良好な)両国関係から見ても取るべきでない措置だ。失望し非常に遺憾だ」と批判した。韓国政府は外交ルートを通じて日本政府に遺憾の意を伝え、措置を撤回するよう求めた。