東電・中部電の電力需要、今夏最大を更新
電力需給の逼迫が続いている。全国的な猛暑が続いた10日は、東京電力と中部電力で今夏のピーク時の最大電力需要を更新したほか、東北電力と関西電力では電力使用率が90%を超えた。ただ11日からは盆休みに入る企業が増え始めるため、電力需要のピークは当面落ち着く可能性がある。
10日は東電の電力需要(午後2~3時)が4903万キロワット、中部電は同2520万キロワットとなり、ともに3日連続で今夏最高を記録。両社以外でも、関電の2750万キロワット(今夏最大は2784万キロワット)のように、軒並み9日に記録した今夏の最大電力需要に匹敵する水準になった。
東電からの電力融通枠を拡大するなど需給が厳しい東北電管内では、今夏最高を記録した9日(1246万キロワット=確報値)をわずかに下回った。気温は10日の方が高かったものの、自治体などが緊急で節電を呼びかけたことが奏功し、「企業や家庭での協力が進んだ」(東北電)という。
11日からは中部電と九州電力の供給区域でトヨタ自動車グループの工場、中国電力ではマツダの工場が夏季休業入りするなど、盆休み入りする企業が増える。東電は「盆休み効果で通常日より需要が落ちる」と分析しており、電力需給の一段の悪化は避けられそうだ。