日本人男女に初の新人俳優賞 ベネチア映画祭
第68回ベネチア国際映画祭コンペ部門に出品された園子温監督の「ヒミズ」の主演俳優、染谷将太さん(19)と二階堂ふみさん(16)が10日、マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)に決まった。日本人の同賞受賞は初めて。日本作品が同映画祭で主要賞を受賞するのは宮崎駿監督の「ハウルの動く城」の技術貢献賞以来7年ぶり。
「ヒミズ」は古谷実氏の同名漫画の映画化。震災後の日本に生きる少年少女の過酷な青春を描き、がれきが広がる宮城県の被災地でも撮影した。染谷さんは父も母も家を出て一人で暮らしながら、「普通」の大人を目指して懸命に生きる中学生役、二階堂さんは染谷さんに心を寄せる同級生役を好演した。
染谷さんは東京都出身。子役として活躍した後、2009年に冨永昌敬監督の「パンドラの匣(はこ)」で主演。繊細な存在感が買われて、青山真治監督、瀬々敬久監督ら実力派の監督に重用されている。二階堂さんは沖縄県出身。モデルを経て、09年に役所広司監督「ガマの油」でヒロインを演じた。
また先鋭的作品を集めたオリゾンティ部門では塚本晋也監督の「KOTOKO」が最高賞のオリゾンティ賞を獲得した。