中国鉄道事故、賠償金額にネットで批判の声
「もっと多いはず」「原因究明が先」
中国浙江省温州市で23日に発生した高速鉄道の衝突・脱線事故で26日夜、当局が39人の死者に対して一律に50万元(約610万円)の賠償金を支払うことを決めたことを受け、ネットで批判の声が相次いでいる。中国は急成長で住民の所得水準が大幅に向上しており、賠償金の少なさを問題視する声もある。
賠償金の50万元が少ないとする中国各紙が引き合いに出したのが、昨年8月に黒竜江省で起きた航空機事故。同事故では所得水準の上昇を考慮し、1人当たり96万元と規定を大幅に上回る賠償金が支払われた。ネット上では「民営企業の経営者が多い温州の市民だったら、もっと賠償額は多いはずだ」との書き込みもあった。
浙江省政府系のニュースサイトでは、「賠償額の基準が公表されたことを唐突に思う人は少なくない」と指摘。著名エコノミスト、許小年氏の「事故原因が究明されていないのに賠償案が出るのは時期尚早」との見方を伝えた。(上海=戸田敬久)