「原発の重要性再確認した」 経団連会長、訪欧終了
【ブリュッセル=山腰克也】経団連の米倉弘昌会長は8日、欧州訪問の日程を終え、ブリュッセルで記者会見した。原子力政策を巡り「原発が非常に重要な役割を担うと再確認した」と強調。福島の原発事故を踏まえ「政府はエネルギー政策を早急に基本から見直す必要がある」と訴えた。
全国の原発でストレステスト(耐性調査)を実施する構想が突然浮上したことについて「どれくらいの時間がかかり、電力が不足するのかを懸念している」と表明した。電力不足が続けば「企業側は自家発電や節電を継続せざるを得ないが、競争力を維持できるのか」と指摘した。
日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)については、欧州各国の政府首脳・経済人と前向きに取り組む方向で一致した。
実現のネックとなっている非関税障壁については、米倉会長が双方の業界で議論して解消を目指すことを提案。「ドイツ・英国・EU首脳から賛意を得た」と述べた。欧州を代表する経済団体の「ビジネス・ヨーロッパ」ともEPAについて定期的に協議することで合意した。