米ニューズ傘下の英大衆紙、フォードなど広告中止 盗聴問題で
【ニューヨーク=小川義也】米メディア大手ニューズ・コーポレーション傘下の英大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」の記者らによる盗聴問題の波紋が広がっている。取材対象の著名人に加え、犯罪被害者の携帯電話も盗聴していたことが判明し、米フォード・モーターなど複数の大手広告主が同紙への広告掲載中止を表明した。メディアとしての信頼低下や広告収入減少につながるとの見方からニューズの株価は6日の米株式市場で3%以上、急落した。
フォードは「捜査の結果と、それに対する迅速で断固たる対応が示されるまで」の間、広告掲載を中止するとの声明を発表。三菱自動車や英金融大手ロイズ・バンキング・グループ、米ゼネラル・モーターズ(GM)の英子会社なども掲載見送りを相次ぎ打ち出した。
ニューズのルパート・マードック会長は6日、盗聴問題について「遺憾であり、許されない」とした上で、「警察のすべての捜査に全面的かつ積極的に協力する」との声明を発表したが、同社が進める英衛星放送大手BスカイBの完全子会社化計画に影響を与える可能性もある。
今回の盗聴問題では、2002年に誘拐・殺害された当時13歳の少女などの携帯の留守番メッセージも盗聴されていたとの報道をきっかけに、英国で一気に批判が高まっている。キャメロン英首相は6日、警察の捜査とは別に政府としても調査に乗り出す考えを表明した。