NY円、反発 1ドル=78円70~80銭 首脳会議控えユーロ上昇
【NQNニューヨーク=滝口朋史】20日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、前日比40銭円高・ドル安の1ドル=78円70~80銭で終えた。対ユーロでドルが売られ、対円でもドル売りが優勢になった。海外市場で円の下値が堅かったことから、短期筋による円買い・ドル売りも入った。円は一時78円71銭と、14日以来ほぼ1週間ぶりの高値を付けた。
ギリシャ向け第2次金融支援(追加支援)の大枠を決める欧州連合(EU)のユーロ圏17カ国による首脳会議を21日に控え、バローゾ欧州委員長が会見した。委員長が欧州金融安定基金(EFSF)の機能拡充に言及したことなどが好感され、対ドルでユーロを買い戻す動きが優勢になった。
6月の米中古住宅販売件数は市場予想に反して減少したが、円相場の反応は限られた。米民主・共和両党に所属する超党派の上院議員が作成した米財政赤字の削減を巡る新しい提案について、合意は難しいとの見方が強まり、ドルの買いが手控えられたとの指摘もあった。
ニューヨーク市場の円の安値は78円94銭で、値幅は23銭と小幅だった。
円は対ユーロで小幅に反発し、前日比10銭円高・ユーロ安の1ユーロ=111円90銭~112円00銭で終えた。EFSFの機能拡充を好感した円売り・ユーロ買いに押される場面があったが、対ドルで円が買われたのを受けてやや円買いが優勢になった。
ユーロは対ドルで続伸し、前日の1ユーロ=1.41ドル台半ばから1.42ドル台前半に水準を切り上げた。ユーロ圏の首脳が21日の会議で、欧州の債務不安の拡大回避に向けた解決策を示すとの期待からユーロへの買い戻しが優勢になった。ユーロは欧州の取引時間帯で1.4239ドルと14日以来の高値を付ける場面があった。ニューヨーク市場のユーロの高値は1.4234ドル、安値は1.4168ドルだった。
英ポンドは対ドルで上昇し、前日夕の1ポンド=1.61ドル台前半から、同後半に水準を切り上げた。英中銀のイングランド銀行が6~7日に開いた金融政策委員会(MPC)の議事要旨を公表し、前回と同じ8人の委員が現状の量的緩和の水準が適切だと投票したことがわかった。委員が量的緩和の拡大に傾くとの見方が一部にあったといい、議事要旨公表を受けて英ポンドの買い戻しが優勢になった。