九電、豪州でLNG権益取得 年83万トン調達
九州電力は16日、米シェブロングループなどがオーストラリアで進める液化天然ガス(LNG)開発事業「ウィートストーンプロジェクト」の一部権益を取得したと発表した。この権益と同プロジェクトからの調達を合わせ年間調達量の3割に相当する年83万トンのLNGを確保した。火力発電所で使うLNGの安定供給につなげる。
豪州北西部の海底ガス鉱区、ウィートストーン・イアゴガス田の権益1.83%と、ガスの液化プラントなど供給設備の権益1.46%をシェブロン子会社から取得した。取得金額は明らかにしていない。九電がLNGの権益を取得するのは初めて。
同ガス田の年産能力は890万トンで2017年から産出を始める予定。九電はこの権益を通して年間13万トンのLNGを調達する。
これとは別に同開発に参加するシェブロングループやクウェート石油公社子会社など4社から年70万トンのLNGを調達する契約を結んだ。17年度から最長20年間の取引を予定している。
九電はインドネシアなどからもLNGを直接買い入れているが、順次契約が期限切れを迎える。原子力発電所の稼働や新増設の先行きが不透明な中で、火力発電所の稼働率引き上げでLNG使用量が増える可能性もあり、今後も取引拡大を探る。
関連企業・業界