日経平均続落、午前終値9935円 欧米株安受け112円安
28日午前の東京株式市場で日経平均株価は続落。前引けは前日比112円12銭(1.12%)安の9935円07銭で、1万円を下回った。取引時間中の1万円割れは21日以来、1週間ぶりとなる。前日27日の米ダウ工業株30種平均が198ドル安となるなど、欧米株式相場が軒並み安となった流れを受け、リスクを取りにくくなった投資家による売りが幅広い銘柄に先行した。円相場が1ドル=77円台後半で高止まりしていることも、輸出関連株の重荷になった。一方、朝方の売り一巡後は値ごろ感からの買いが下支えし、前場の値幅(高値と安値の差)は32円にとどまった。トヨタが売買を伴って下落した。
前日の米株安の背景には、最近懸念されている米連邦債務の上限引き上げ問題を巡る混乱に加え、経済指標などを受けた景気減速懸念もあり、東京市場でも主力株への売り圧力が強まった。ただ、発表が本格化している国内主要企業の2011年4~6月期決算がおおむね回復傾向にあるため、売り急ぐ動きも限られている。「前場の日経平均は200日移動平均(前日時点で9919円)が下値支持になった」(立花証券の平野憲一執行役員)との声があった。
東証株価指数(TOPIX)も続落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で4782億円、売買高は7億4764万株。東証1部の値下がり銘柄数は1362と、全体の8割強に達した。値上がり銘柄数は199、変わらずは97だった。
東電が乱高下。朝方に急落した後は上げに転じ、前引けは小幅に上昇した。日産自、ファナック、三菱UFJ、ホンダ、コマツ、三井住友FGが下落し、アドテスト、ラウンドワン、NTTデータが大幅安。半面、好業績観測が伝わった日立が小高く、JT、パナソニックが買われた。前日に決算を発表した日立建機が大幅高。
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