辛ラーメンプレミアム版「成分表示に誇張」 韓国公取委
【ソウル=共同】韓国の代表的なインスタントラーメンで、日本でも人気の「辛ラーメン」。発売から25周年を記念し、販売元の食品会社「農心」が4月にプレミアム版を発売したが、成分表示に誇張があったことがこのほど判明、公正取引委員会が是正に乗り出す騒ぎになっている。
成分を誇張していたのは「辛ラーメン・ブラック」。包装紙には「ソルロンタン(牛のスープ料理)1杯分の栄養を含む」と記載したほか、広告では「(栄養バランスが)完全食品に近い」とし、価格は既存品の2~3倍。
だが、公取委が調査したところ、成分分析で鉄分はソルロンタンのわずか4%にすぎず、逆に脂肪は3倍以上あると判明。公取委は6月27日、誇大広告に当たるとして、農心に対し表示広告公正化法違反で1億5500万ウォン(約1175万円)の課徴金を科す是正命令を出した。
韓国では、健康ブームなどを反映して、高級素材を使った食品が次々と発売され、価格を高く設定したアイスクリームやコーヒーなどが人気を集めている。一方で消費者からは、味に違いがないとして「売り上げのために商品名とパッケージを変えただけでは」との疑問の声も出ていた。
公取委は、是正命令で「プレミアム商品として価格をつり上げ、誇大広告で消費者をだます行為が防げる」と期待する。だが、韓国メディアによると「辛ラーメン・ブラック」のこれまでの売り上げは約160億ウォン。課徴金は「(売り上げの)1%足らずだ」と処分の軽さに批判の声も上がっている。