中国の高速鉄道事故、死者35人に 日本人含まず
【上海=菅原透】中国国営通信の新華社によると、23日夜に中国浙江省温州市で起きた高速鉄道事故の死者は35人、負傷者は210人になった。
胡錦濤国家主席らは張徳江副首相を現場に派遣。2007年に開通した在来線型の高速鉄道で初の脱線事故の究明に全力を挙げるよう指示した。鉄道省も全国の鉄道局に対して、線路と列車設備の緊急点検を求めた。
上海の総領事館は日本時間23日午前11時すぎ、浙江省政府から「35人の死者の中に日本人は含まれていない」との連絡を受けた。
事故は浙江省杭州から福建省福州に向かう「D3115」が落雷で緊急停車、そこに北京からの福州行き後続列車「D301」が追突した。その後の調べで、計6両が脱線し、D301の4両が高架から落下したことが分かった。英字紙「チャイナ・デイリー」は24日、2007年に開通した在来線型の高速鉄道で初の脱線事故と報じている。
事故現場では地元の住民や乗客らも協力して夜を徹して救出作業が行われた。地元メディアによると、温州市内の病院では負傷者の治療で血液が不足、献血の呼びかけに多数の地元住民が応じているという。