泊原発再開、地元町村は知事を支持 被災者「安全といえない」
高橋はるみ北海道知事の容認表明を受け、17日に営業運転を再開した北海道電力泊原発3号機。地元自治体は知事の判断を支持する姿勢を明確にするが、手続きが適切だったのか疑問視する首長も。東日本大震災で避難してきた被災者は「安全とはいえない」と訴えた。
「異議はない。泊原発はこれまで大きな事故はなく、福島第1原発事故以来、対策を進めている」と強調するのは泊村の牧野浩臣村長。地元4町村はいずれも受け入れ姿勢で、岩内町の上岡雄司町長は「泊原発は北海道の電力の30~40%を供給している。知事が国に対して、異議がないと言ったなら、とやかく言う話ではない」と話す。
一方、市の中心部が泊原発から60~70キロ圏内にある札幌市の上田文雄市長は「これまでの『地元自治体』の範囲にとらわれず、意見を聴取すべきだった」と道の対応に反発する。「泊原発に関する情報は札幌市を含め、広く道民に提供すべきだ」と注文を付けた。
福島県伊達市から札幌市に家族4人で避難している宍戸隆子さん(38)は17日、市民団体が道庁で開いた記者会見に同席し「北海道の原発も安全とはいえない。福島でつらい思いをしているので、北海道の人に同じような思いはしてほしくない」と話した。〔共同〕
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