慶応義塾、横浜市に小学校建設 13年開校予定
学校法人慶応義塾(東京・港)は4日、横浜市青葉区での小学校開設計画について神奈川県知事から設置の承認を得たと発表した。9月に着工し、2013年4月の開校を予定する。定員は648人。場所は東急田園都市線・江田駅近くの住宅地。地元の横浜市では有名小学校の進出で、子育て世帯の転入増加を期待する声が出ている。
学校名は「慶応義塾横浜初等部」。江田駅から徒歩5分の距離で、敷地面積約3万8千平方メートルの立地に校舎と校庭を整備。近隣に面積約1万1500平方メートルの校庭も造る。1学年は3学級で108人。
卒業生は藤沢市にある湘南藤沢中・高等部に進学することを原則とする。初等部在学中から湘南藤沢校との交流イベントなど連携を深める。「小中高一貫教育をより充実できる」(慶応義塾)とみている。具体的な授業カリキュラムや募集要項については12年夏以降に公表する予定だ。
当初は同じ場所に小中一貫校を今年4月に開校する計画だった。だが2008年秋のリーマン・ショックによる経済環境悪化を受け、09年に建設延期を発表。今回、小学校だけを開設して系列中高と連携することにした。
慶応義塾の小学校は東京都渋谷区にある幼稚舎のみで、今回が2校目。ただ幼稚舎の進学先は横浜市港北区の普通部か東京都港区の中等部、湘南藤沢中・高等部の3校に分かれる。
横浜市では子育て世帯の転入の期待感が広まっている。横浜市幹部は「慶応の小学校新設は地域イメージ向上に大きなプラス。教育に関心の高い家族連れの転入が期待できる」と語る。東京急行電鉄は「田園都市線の魅力を高めようと、たまプラーザ駅などの再開発を進めてきた。慶応の小学校新設で沿線ブランド価値向上に弾みがつきそうだ」という。
浜銀総合研究所の湯口勉主任研究員は「都心へのアクセスがいい田園都市線沿線はもともと地価が安定している地域。今回の小学校建設で家族向けマンションや戸建て需要がより拡大しそうだ」と指摘する。
少子化時代のなか、有名校誘致は住民増加など地域活性化につながるとの見方は多い。相鉄ホールディングスも「沿線住民を中長期的に増やしていくために学校誘致は有効だ」とみて、中期計画で沿線に私立小学校・中高一貫校の誘致を掲げている。
関連企業・業界