震災直後に放射性物質放出の可能性指摘 経産省所管の独法
経済産業省所管の独立行政法人「原子力安全基盤機構」が3月15日、東京電力福島第1原子力発電所事故で「大量の放射性物質を環境に放出する可能性がある」とする解析結果を作成していたことが分かった。経産省原子力安全・保安院は報告を受けていたが公表せず、実際の政策判断にどこまで生かされたどうかは不明だ。
同機構が14日公開した解析資料で判明した。
3月15日の資料は使用済み核燃料プールで注水・冷却を始めないと翌朝までに1~4号機すべてで水が沸騰、蒸発して燃料が破裂すると解析。放射性物質が大量に放出されると推定した。14日の記者会見で保安院側は「資料は注水が重要だという認識を示したものだ」とした。
3月18日の資料では「プールの燃料貯蔵ラックが喪失した場合、臨界になりうる可能性がある」と記述。同21日には、放射性物質の放出量から逆算すると炉心の重大損傷が起きていると推定した。同25日には溶けた核燃料が格納容器のコンクリート床を貫通する可能性を分析していた。
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