共同通信記事に「不適切な加筆」 次長を厳重注意
社団法人共同通信社(東京)が2010年10月に配信したサッカー試合の記事に、記者の取材に基づかない不適切な加筆があったとして、記事の編集を担当した運動部次長(デスク)らを厳重注意処分としていたことが2日、わかった。
配信記事は同月8日、さいたま市で行われたサッカー日本代表の国際親善試合をスタジアムで観戦していたとする20代女性のコメントを紹介。翌9日付朝刊で東京新聞など4紙が掲載した。
しかし、女性の話は現地で記者が取材したものではなく、記事を手直しした次長が付け加えたものだったと判明。次長は「締め切りが迫っていたので加筆した。以前聞いていた女性の話を、当日聞いたように仕立てた」と説明したという。
共同は事実関係に誤りがあったとして10日におわびと訂正を配信、掲載4紙は訂正記事の掲載を見送った。同社は26日に運動部長と次長の2人を厳重注意処分とし、次長は編集部門から異動となった。
三土正司・総務局次長の話 非常に不適切な原稿の処理だった。記事の捏造(ねつぞう)とは思っていない。誤りがあったので速やかに訂正し、おわびを配信した。