中国高速鉄道事故、遺体捜索打ち切り 原因究明焦点に
【温州(浙江省)=戸田敬久】中国浙江省温州市で起きた高速鉄道の事故で、温州市政府は25日、遺体の捜索活動を打ち切ったことを明らかにした。今後は遺族の補償問題など事後処理に軸足が移る見通しだ。一方で制御プログラムに不具合があったとの説が流れるなど原因究明を巡る情報には混乱もみられる。
市政府は25日夜時点で死者数を40人と発表したが、直後に39人と訂正。同市政府は25日夕に遺体の捜索を終了した。負傷者数は192人。
原因究明では情報が錯綜(さくそう)している。政府系通信社の中国新聞社が、ネット上で「制御プログラムに不具合があり、2人が既に拘束された」とのうわさが流れていると報道。ただ、地元当局は「拘束の事実はない」と同社に否定した。
また、ネット上では、事故の被害者家族が当局の救援活動の不手際を非難する動画などが相次ぎ掲載されている。今後、補償を巡って中国政府を追及する動きが広がる可能性もある。
ほかの高速鉄道でも不具合が相次いでいる。上海市系の東方早報(電子版)は25日、北京・上海高速鉄道の安徽省定遠付近で送電線設備に故障が発生し、列車が遅れたと報じた。